ドイツワインのラベルの読み方

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ワインの法律(ドイツワイン法)

ECでは、EC域内で生産されるワインについて大きく2つに分類しています。一つが地域指定優良ワイン(VQPRD)という上級のワインでその下に位置するものがテーブルワインです。ドイツでは更にそれぞれを2つに分類し全部で4つのランクに分けています。

ドイツのワイン分類
 

ドイツワイン法ではワインを上からQmP、QbA、Deutscher Landwein、Deutscher Tafelweinの4つに分類しています。
 

QmP(Qualitatswein mit Pradikat:クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート)

日本語では肩書付き高級ワインなどと訳されますが、ドイツ最高級のワイン群です。更にQmPの中で収穫時のぶどうの糖度などによって6段階に分類されています。

QmPワインのラベルの例を下に書いてみました。

最初にワインの名前から説明しましょう。赤い四角で囲んだ部分がこのワインの名前です。名前の付け方には幾つか種類が有るのですが、例の場合は"村の名前er+畑の名前"という付け方になっています。すなわち、Geisenheim村のKlauserweg畑で採れた葡萄から造ったワインという名前です。そしてこの村や畑の属している限定栽培地域(13地域)の名前が産地として書かれています。例ではピンクの枠で囲んだ"Rheingau"が限定栽培地域名です。

QmPのワインはこの限定地域内にある同一地区内の葡萄からのみで造られています。一番大きく書いてあるのは生産者の名前です。茶色で囲みました。
 

青い枠で囲んだ部分がQmP格付けであることと、その中のKabinettであることを書いてあります。例では下の青い枠の部分が"Qualitatswein mit Pradikat"でQmPを示し、上の枠は "Kabinett"であることを示しています。黄色い枠は葡萄の品種を示していて、法律で定められた割合(85%)以上、この種類の葡萄を使っていることを示しています。
 

茶色で囲まれた数字は収穫年です。これもドイツのワイン法では表示年のワインを85%以上使用する決まりになっています。そして濃い緑で囲まれた部分はアルコール度と内容量です。黄緑の枠内にはドイツ産の表示があります。
 

そして、厳しいドイツワイン法の基準をクリアしたワインには公認検査番号という番号が与えられこれが必ずラベルに記載されています。例では紫の枠に囲まれた部分がこれに当たります。
 

QbA(Qualitatswein bestimmter Aubaugebiete:クヴァリテーツヴァイン)

QmPの下に位置付けられる良質ワインです。ドイツワインのなかで最も生産量の多いクラスのワインです。栽培地域は法律で定められた13地域に限られ同一地域の葡萄からのみで造られます。ズースレゼルヴを使用していることが多く安定した味わいと品質を保持しています。ラベルには通常Qualitatsweinとだけ表示されています。
 
Deutscher Landwein
(ドイッチャー・ラントワイン)これは日本語で地酒に相当します。法律で定められた20栽培地域で造られたワインでこの地域名を表示することになっています。
 
Deutscher Tafelwein
(ドイッチャー・ターフェルワイン)100%ドイツ産の葡萄を使ったワインで地方名(5地方)を表示する場合と、地域名(8地域)を表示する場合があります。いわゆるテーブルワインに相当します。

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