カンパーニャのワイン

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campania


カンパーニャは南イタリアの中心都市ナポリを州都に持つ州です。スパゲッティやピッツァの故郷とも言われていますね。

ナポリは世界3大美港の一つとして有名ですが、古代より様々な文化が交流する場所でもありました。古代ギリシャからグレーコ種やアリアニコ種の葡萄が入ってきたのもここだと言われています。

一方、かつてポンペイの町を灰の下に埋めてしまったという火山「ヴェズーヴィオ」があり、海岸に近い地区では、その痩せた火山灰土壌でよく知られたワインが作られています。

内陸部は山麓に当たる場所で葡萄が栽培されていますが、特に古代からの伝統的品種によるワイン作りで注目されるものができています。


Taurasi(タウラージ)

古代ギリシャから伝えられたとされるアリアニコという葡萄から造られる辛口熟成型赤ワインです。地図では赤い色で示しました。
濃いルビー色をした香りの強いワインで、重厚さとコクを併せ持つ力強いワインです。「南イタリアのバローロ」とも呼ばれています。ローストした肉類やジビエなどの料理ととても相性が良いと思います。パワーのあるワインですので15年程度まで熟成に耐えます。
一般にこういった古い品種のワインの品質を高めていくのには大変な努力が必要です。タウラージの場合もマストラベラルディーノ醸造所の努力によるところが大きいといわれています。


Lacryma Chiristi del Vesuvio(ラクリマ・クリスティ・デル・ヴェズーヴィオ)

地図では濃い緑色で示しました。赤、白、ロゼとありますが、白が有名です。これは以下のような逸話があるためです。ワインの方は白の場合、麦わら色のさらりとしたドライタイプになっています。
このワインは「キリストの涙」という名前なのですが、これには次のような逸話があります。
ナポリはかつて悪魔が天国から盗んできた町だと言われ、町は悪行で溢れるすさんだ状態になっていました。あるときキリストがこの様子をヴェズーヴィオ火山から眺め、あまりの悲しさで涙を流してしまいました。この涙が落ちた場所から葡萄の木が生えこれからワインを作ったところ大変おいしいワインができました。それ以来この地で作られるワインは「キリストの涙」と呼ばれるようになりました。


Fiano di Avellino(フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ)

地図では水色で示しました。下のグレーコと並びイタリア屈指の白ワインですが、タウラージ同様、古代からの品種フィアーノを用いて造られます。やや薄い黄色、さっぱりとしたバランスの良い辛口ワインです。3年以内に飲むカジュアルなワインで、魚介類やモッツア・レッラチーズと相性が良いようです。


Greco di Tufo(グレーコ・ディ・トゥーフォ)

地図では紫色で示しました。上のフィアーノと並びイタリア屈指の白ワインですが、タウラージ同様、古代からの品種グレーコを用いて造られます。この葡萄は曲がったつたになることから「きつねのしっぽ」とも呼ばれています。色は黄色、バランスの良い味わいの辛口ワインです。5年以内に飲むワインで、こちらも魚介類と相性が良いようです。

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