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ラツィオはイタリアの首都ローマのある州です。ワインは白ワインが多いのですが、VdT赤ワインにも有名なものがあります。Fiorano
RossoやTorre Ercolanaなどがそうですが、これらのワインはカベルネ種やメルロー種を使っており5年から10年以上の熟成にも耐えるものです。
一方、白ワインは世界的にも有名なポピュラーなものがありここでは2つを紹介します。古来よりローマ近郊ではトレッビアーノ種やマルヴァジーア種を使った白ワインが多く作られていました。かつてはアッボカート(薄甘口)のものも多かったのですが、現在ではさっぱりした辛口のものが多くなってきています。
ラツィオ州北部の湖(Logo di Bolseno)の周りで生産されている辛口の白ワインです。地図では水色で示しました。Estというのはラテン語で「ある」という意味ですが、この奇妙なワインの名前には次のような言い伝えがあります。
12世紀頃、ワイン好きの偉い司祭がローマに南下するにあたり従者を先に行かせ酒蔵のワインを試飲させ、もしおいしいワインがあったなら「Est」と扉に書くように命じました。従者がフィアスコーネの宿に着いた時、試飲したワインがあまりにおいしかったため扉に「Est」を3つも書いてしまいました。後から来た司祭は「Est」が3つも書いてあるので、このワインを飲みつづけ遂には亡くなってしまったそうです。このため墓には「あまりに多くのエストのために死す」とラテン語で刻まれています。
さて、このワインはこくのある辛口とまろやかな薄甘口のものがあります。淡水魚などの料理と合いそうですが、飲み過ぎには注意しましょうね。
ローマの南西、かつてローマを守る砦のあった付近で生産されているワインのひとつです。地図では濃い緑色で示しました。マルヴァジーア種を主体とした滑らかな口当たりの白ワインです。若いうちに飲むワインで、世界的にも消費が拡大傾向にありポピュラーなイタリアワインの一つとして挙げることができます。
こちらも魚ベースのリゾットやパスタなどと相性がいいと思います。