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トスカーナ州はピエモンテと並びイタリアで最も高品質なワインを生産する州です。州都は花の都フィレンツェです。リストランテもたくさんありますからイタリアに行ったら寄ってみましょうね。
DOCGも5つが指定されておりイタリアでも最も多く、更にスーパーVdTと呼ばれる高品質ワインも多数生産されています。
地図ではおおざっぱに産地を色付けしました。
トスカーナで一番ポピュラーなのはキャンティですね。殆どの方が聞いたことや飲んだことがあるかと思います。地図ではうすいピンク色で示しました。
そしてキャンティ・クラシコ、更にDOCGのヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ、カルミニャーノ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノと舌を噛みそうな名前が続きます。
先ずはDOCGについて解説します。
地図では一番広いピンク色の部分にあたります。辛口の赤ワインの産地です。サンジョヴェーゼという葡萄から造られますが75%から90%位の割合です。他に幾つかの補助品種を使っても良いことになっています。
キャンティは品質に千差万別があり、ライトタイプのぐいぐい飲めるものから、長期熟成に耐え威厳に満ちたものまで様々です。しかし最近では品質の向上が著しくそれに呼応する形で生産量も減少しています。
多くの生産者たちは自分達のワインを差別化するために特定の畑や区域の名前を強調することによって高品質をアピールする方法を取り始めています。その中でもっとも有名なのはChianti Classico(キャンティ・クラシコ)ですが、これは地図で赤く示した古くからの畑で生産されたものにのみ使用が許されています。トレードマークとして黒鶏を使っていることでも有名です。
- 他に地理表示可能な地区は、Rufina,Colli Fiorentini,Montalbano,Colli Pisane,Colli Senesi,Colli Aretiniなどがあります。
こちらは地図でオレンジ色の地区です。サンジョヴェーゼの一つであるブルネッロ種の葡萄から造られます。サンジョヴェーゼから作られるワインの最高峰とも言えるものです。辛口赤ワインで10年以上の熟成に耐えます。
最近は海外での人気も高く生産量も増えていますが、高品質のものはやはり値段も良いようです。
有名な生産者としてはBiondi-Santiなどがあります。
地図では茶色で示しました。サンジョヴェーゼの一つであるブルニョーロ・ジェンティーレ種の葡萄から造られます。辛口赤ワインで熟成にも耐えます。
比較的新しいDOCGです。1990年に認められました。これはカベルネ種を少し使用していたために遅れたのですが、カベルネ種を使ったほうがボディは厚くなると思います。DOCもブラインドティスティングにより認められたものです。
地図では濃い緑色で示しました。サンジョヴェーゼ45〜70%、カナイオーロ・ネロ10〜20%、カベルネ6〜15%を使って造られます。1716年にトスカーナ大公により選ばれ保護された地区で生産されています。
トスカーナで一番新しいDOCGで1993年に昇格しました。同じ名前の葡萄から造られる白ワインです。辛口が基本ですが、甘口のものもあるようです。
トスカーナ州にはVdT(ヴィノ・ダ・ターボラ)という格付け最低でありながら、高品質のワインとして名高いものがたくさんあります。ここで特に有名なものを少しだけ紹介します。
Saccicaia(サッシカイア)
言わずと知れたスーパートスカーナの筆頭です。カベルネ・ソービニヨンやカベルネ・フランを用いボルドースタイルにまとめ上げています。新樽での熟成も行い10年以上の熟成にも耐えます。味わいもボルドーに近いものと言えると思います。
Solaia(ソライア)
こちらもカベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フランから造られる辛口赤ワインです。最近のものはサンジョヴェーゼも使用しているそうです。
Tignanello(ティニャネッロ)
こちらはサンジョヴェーゼが85%くらいで、残りがカベルネです。良い年のものは15年以上の熟成にも耐える熟成型の辛口赤ワインです。