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左にロワール地方の詳細な地図を載せました。
一番左の青い部分が大西洋でクモの巣のように(?)広がっている青い線がロワール川とその支流です。
ワインの主な産地はこのロワール川に沿って分布しています。
それでは河口の地域から順に説明していきます。
河口の都市「ナント」は世界史にも登場する有名な都市です。「ナントの勅令」とかを思い出される方も多いかと思います。このナント市周辺に広がる黄緑色の地域がナント地区です。
ここは18世紀初頭に猛烈な寒波に襲われ葡萄畑が全滅して以来、霜害に強い「ミュスカデ」という白葡萄が栽培されています。ミュスカデから造られたワインはライトタイプでフレッシュ&フルーティ、ミネラルや花の香りのするカジュアルな辛口タイプです。また、「シュールー・リー」という製法を用いアミノ酸のうまみを加えたワインとしても有名です。この製法の為に微発泡している事も多いようです。
AOC名
Muscadet
Muscadet de Sevre et Maine
Muscadet des Coteaux de la Loire
Muscadet Cotes de Grandlieu
この地区の中心であるアンジュ市は花と芸術の都と呼ばれています。このアンジュー市の周りに広がるのがアンジュー・ソミュール地区です。地図ではピンク色のアンジュー、黄色のコトー・デュ・レイヨン、紫のソミュール地区に分かれています。
アンジュー地区で有名なのはロゼワインです。AOC名とタイプは以下の通りです。
Cabernet d'Anjou カベルネ・フランという葡萄から造られる中甘口のワインです Rose d'Anjou グロロという葡萄品種から造られ甘口になります Rose de Loire 葡萄は数種類ブレンドします。辛口のロゼワインです
地図では黄色の部分ですが、ここではシュナン・ブランという葡萄から貴腐ワインや甘口ワイン、辛口の白ワインが造られています。貴腐ワインで有名なのは次の3つです。
Coteaux du Layon
Quarts de Chaume
Bonnezeaux
この他に中甘口の
Coteaux de l'Aubance
しっかりとした辛口の
Savennieres
などが造られています。
「フランスの庭園」と呼ばれるトゥーレーヌ地区は気候も温暖で葡萄を始め様々な農作物が豊富に出来ます。葡萄畑は日当たりの良い斜面に有り位置的にフランスの北部にありながらも、素晴らしいワインを生み出します。
地図ではオレンジ色のトゥーレーヌ地区、赤色のシノン、ブルグイユ、水色のヴーヴレイ、モンルイの他に、新しいAOCのシュヴェルニィ、ちょっと北に離れたジャスニエールなどに分かれています。
AOC名
Vouvrey
Montlous
Chinon
Touraine
Touraine Amboise
Touraine Azey le Rideau
Touraine Mesland
Coteaux du Loir
Jasnieres
Bourgueil
St.Nicolas de Bourgueil
たくさんありますが、甘口で発泡するものもある白ワインのヴーヴレやモンルイ、ルビー色の美しい色と作柄の良い年にはこくのあるタイプの赤ワインを産み出すブルグイユ、シノン、サン・ニコラ・ド・ブルグイユなどを覚えておくと良いでしょう。
ロワール川の更に上流にあるワイン産地です。上の地図には入りきらなかったので、別に地図を用意しました。フランス全土の地図ではロワールの一番東側に他と離れて飛び地のようにある地区です。
ロワール川の上流に位置し海抜150〜300mの丘陵地に広がっています。白ワインが多くソーヴィニヨン・ブランという葡萄から造られるものが大部分です。特にサンセール、プイィ・フュメなどは辛口のフルーティなワインとして代表的なものです。フランスの白ワインの一つの代表的なものと言えます。
一方、赤ワインもわずかですが造られています。ピノ・ノワールというブルゴーニュの赤ワインと同じ葡萄を使いますが、赤い果実の香りのするフルーティなワインとなります。
AOC名
Sancerre
Pouilly Fume
Menetou Salon
Quincy
Reuilly