ボルドー地方のワイン

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ボルドーはブルゴーニュと並ぶ世界的にも有名なワインの大産地です。

ボルドー地方のワイン産地は大西洋に注ぐジロンド河とその上流であるドルドーニュ川、ガロンヌ川に沿って分布しています。一つ前のフランス全土のページでボルドーの位置はお分かり頂けたでしょうか。フランスの大西洋側、かなり南に位置する地方です。気候的には大西洋の海の影響を強く受ける海洋性気候になっています。

さてボルドー地方の少し詳しい地図を見てみましょう。色付けされた地区の上をクリックするとその地区の説明文に移動します。

青い大きな部分は大西洋です。大西洋に注ぐ大きな河がジロンド河と呼ばれるかなり幅の広い河です。その上流で2つに分かれていますが北側の川がドルドーニュ川、南側はガロンヌ川です。

ボルドーは高級ワインの産地ですが、その中でも特に良いワインを多く産出する地域を少し濃い色で表しました。
赤いメドック地区は皆さんも一度は聞いたことのある、

「シャトー ラフィット・ロートシルト」
「シャトー ラトゥール」
「シャトー ムートン・ロートシルト」
「シャトー マルゴー」

といった超高級ワインの産地でボルドーの心臓部です。

その下の橙色のグラーヴ地区

「シャトー オー・ブリオン」

といった高級ワインを産出します。

グラーヴ地区に囲まれて濃い黄色のソーテルヌがあります。ここは貴腐ワインの最高級品の産地です。

「シャトー ディケム」

という有名なワインもあります。




ちょっと北に行ってドルドーニュ川の沿岸にピンク色のリブルネ地区があります。ここではサンテミリオン、ポムロールといった人気の高いワインが作られています。

「シャトー オーゾンヌ」
「シャトー シュヴァル・ブラン」
「シャトー ペトリュス」

などが有名です。

詳しくは後で触れることにして、まずはボルドー全体のお話をしましょう。


ボルドー地方のAOC法上の順位付け

ボルドー地方のAOC法上のワインの格付けは以下のような仕組みになっています。

法則「広い地域の名前は格付けが低く、狭い地域の名前になるほど格付けが高くなる」

具体的には次のようになっています。


シャトーについて

ボルドーのワインの多くはシャトーなんとかという名前で呼ばれることが多いですね。シャトーというのはそのまま訳すと「お城」になりますが、ボルドーではワイン造りをする醸造所のことを言います。でもこの醸造所はお城のように立派な建物であることが多いようです。さてこの醸造所の持ち主は周りにぶどう畑を有しておりここで栽培され収穫されたぶどうを使ってワインを作り貯蔵、瓶詰めして出荷します。いわば、シャトーワインとはそのシャトー独自の手作りワインなのです。シャトーの数はボルドー全体で約8000もあると言われ独自性のある優れたワインがたくさん作られています。

格付けについて

ボルドーワインについて話している人の話を聞いていると「シャトー何とかは、何級だから...」という事を聞くことがよくあります。上でAOC上のランク付けについて説明しましたが、これとは別にボルドーワインは各地区毎にシャトーの格付けがなされています。例えばメドック地区では1級から5級まで合計60のシャトーが格付けされています。この起源は1855年のパリの万国博覧会までさかのぼります。当時のナポレオン3世が万博に出品するボルドーワインの格付けを命令し、数あるシャトーの中から88が選ばれ1級から5級まで格付けされました。この時の格付けが現在までも生き続けています。ちなみに最高ランクの1級に格付けされているのは

の5シャトーです。この下に2級が14、3級が14、4級が10、5級が18シャトー格付けされています。

さらにその下に「クリュ・ブルジョア」と呼ばれる優れたワイン群が1932年と1978年にクリュ・ブルジョアシンジケートによって格付けされています。これがブルジョア級と呼ばれているシャトー群で128のシャトーが格付けされています。最近はそのコストパフォーマンスの良さが注目され、日本でも人気が高まりつつあります。


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